プーチン大統領に何が

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ロシアの紛争が収まる気配を見せない。今回の場合はロシアというよりもプーチン氏の個人的な紛争に見えてならない。今は世の中が、大変な時期に陥ってるので、今日は同志社大学の米井嘉一教授が毎日新聞で記述された記事がとても興味深かった為、そのまま是非紹介したい。

高齢者がパニック状態に陥るのは、それなりに理由があり、主に考えられるのは「恐怖」です。「自分に危害を加えられるのではないか」と思ったり、周りが敵だらけに見えたりして、「怖い」「逃げたい」と思い、興奮してパニックのような行動に出てしまうのです。そのふるまいは、まるで人間が野生の本能に立ち返ってしまったような印象を受ける。

野生動物の本能は、生きるためのえさの獲得や異性の獲得に向けられます。そのために「闘う」か、自分よりも強い相手に遭遇した時には「逃げる」のです。パニック状態に陥った人は、そんな本能に従って、相手が敵か味方かを判断している。ひとたび「敵」と見なされたら、それはもう大騒ぎになる。相手を蹴ったり、ぶったり、かみついたりすることもあります。医療現場や介護の現場は、きれいごとだけではすまないのです。

そんなとき、相手に「味方」だと思わせて、近づく必要があります。ここが一番難しいところです。表情はもちろん、やさしい声掛けなど、全身全霊で味方であることをアピールします。大切なのは、「味方のオーラを出す!」ことです。

高齢者がパニック状態を起こしやすくなるのは、加齢に伴って脳の機能に少しずつ変化が生じるため。「物忘れが増えた」「人の名前が出てこない」「よく眠れない」「涙もろくなった」「怒りっぽくなった」などなど、脳の変化の表れ方は人によって異なる。頭が固くなって柔軟な考え方ができなくなったり、ものごとに固執するようになったりする変化もあります。こだわりの対象もいろいろです。お金や財産、地位や名声、あるいは過去に受けた恨みが忘れられないどころか、次第に増幅することもあるのです。

そこで、私が思い出したのが、ロシアのプーチン大統領です。現在69歳、脳内に変化が起きてもおかしくない年齢なのです。ウクライナへの侵攻という暴挙に出た後、米国内の有力議員からプーチン氏の精神状態を疑問視する声が上がっているという報道もあります。

ロシア軍のロケット攻撃により破壊されたアパート=ウクライナの首都キエフで2022年2月26日、AP
ロシア軍のロケット攻撃により破壊されたアパート=ウクライナの首都キエフで2022年2月26日、AP

私は昨年10月、ロシアを訪問して国際会議に出席しました(「隔離でワシも考えた! ウィズコロナ時代を生き抜くために必要なこと」)。そのとき、プーチン氏の講演を間近で聞いたのですが、今はそのことをとても恥ずかしくて言えない気分です。プーチン氏をこのような行動に追い立てた要因は何だったのでしょうか? このような話を聞いたことがあります。「プーチン氏が怒っているのは、2014年のソチ・オリンピック開催中にウクライナで起きたクーデター『ユーロ・マイダン事件』だ。親ロシア派のヤヌコビッチ大統領が失脚、ロシアへ逃亡した。気分よくオリンピックを開催していたところへ、赤っ恥をかかされたのだ」

その後に起きたことは、ウクライナ領のクリミア半島のロシアへの編入、ウクライナ東部紛争でした。そして今、北京オリンピック・パラリンピックの期間中に、挙動がさらに過激になっています。何かに追われ、破滅に向かっているのに、自制をかけられない状況なのではないでしょうか。ウクライナや西側諸国が、闘わねばならない「敵」に見えているのかもしれません。診断するとしたら「強迫性神経症」、あるいはその一歩手前のように見えます。

砲撃により被害を受けた建物の前に立つ女性=ウクライナの首都キエフで2022年2月25日、AP
砲撃により被害を受けた建物の前に立つ女性=ウクライナの首都キエフで2022年2月25日、AP

強迫観念とは、頭から離れない考えのことです。その内容が「不合理」だとわかっていても、頭から追い払うことができない状態です。強迫観念から生まれた不安にかきたてられた行動が「強迫行為」です。自分で「やりすぎ」「無意味」とわかっていてもやめられない行動を指します。プーチン氏の現在を見ていると、そんな状態が思い浮かびます。

私ができることは限られています。でも、やらないよりもやった方がずっと良いと思います。だから、ロシアの友達に手紙を書きました。きっと戦争反対のはずです。だれかがプーチン氏を説得してほしい、必要であればケアを受けてほしいと思うのです。

 ほかにも、「足るを知る」ことを忘れ、金や権力の亡者になった人を思い出しませんか。法律を変えてでも首相、大統領、最高指導者の職に長期にわたってしがみつく人もいます。日本でも、トップにしがみついて、問題を起こす人たちが存在します。つまり、「老害」ですね。

 ほかにも、「足るを知る」ことを忘れ、金や権力の亡者になった人を思い出しませんか。法律を変えてでも首相、大統領、最高指導者の職に長期にわたってしがみつく人もいます。日本でも、トップにしがみついて、問題を起こす人たちが存在します。つまり、「老害」ですね。多くの場合、そんな人たちは、カネと権威と力を掌握している「強敵」です。それに対して、私たちは無力かもしれません。しかし、「多職種連携」を進めれば、その力は大きくなります。多くの場合、そんな人たちは、カネと権威と力を掌握している「強敵」です。それに対して、私たちは無力かもしれません。しかし、「多職種連携」を進めれば、その力は大きくなります。 そのとき思い出したいのが、「ペンは剣よりも強し」です。知恵を集めて、それらの連携を図ることができれば、「強敵」に対抗する力になるはずです。