コロナ時代の哀しみ

peopleです。

もう、どうしても#コロナ の話になってしまう。昨日深夜NHKで「ひとり、#都会のバス停 で~彼女の死が問いかけるもの」という題名で、去年11月に笹塚のあたりのバス停で深夜、後頭部を何者かに石か何かの入った袋で殴りつけられ亡くなった64歳の女性の哀しみを特集していた。その時、女性はバス停のベンチに座り、横にはキャリーバッグを置いて、静かに下を向いて寝ていたらしい。私も最初は酔っ払いの女性がしょうもなくベンチで寝ていたところを襲われただけだと思い、気にも留めなかった。

その女性の20代の時、劇団に所属していたころの微笑んだ希望に満ちた写真が写されて驚いた。この女性が!・・・。本当に目が輝いていた。亡くなった時の所持金はなんと8円だったという。最終バスが行くと、毎日のようにここへ来て、休んでいたらしい。広島出身の方で去年の春ごろから路上生活であったという。犯人は近くに住む46歳の男で酒店の息子。毎晩散歩していてこの女性が邪魔だと思い、痛い思いをさせればいなくなると思ったという。

ベンチは奥行きが20㎝、幅が90㎝で真ん中にひじ掛けがあるから横になることもできない。近所にはその存在を知りながら、声を掛けられなかった人が結構いたようではあった。この#大林さん という女性はかつて若い20代のころは劇団員であり、将来を夢見ていた方であったらしいが、その後結婚をされたが主人の暴力が原因で1年くらいで離婚されたという。

かなり自立心の強い方だったらしく、その後は主にコンピューター関連や販売の仕事を長らくして、10年ぐらい前からはスーパーの試食販売の仕事をされていたようである。職業柄収入は多くなく、4年位前からキャリーバックをもって職場に来ていたらしく、恐らく家賃が払えずにインターネットカフェなどを転々としていたらしい。ただ、この女性は明るく、誰にでも笑顔で接し、試食販売をしている時も、小さな子供に対しても極めて優しくしていたと評判だった。その後、コロナが流行り始めてからは対面販売が厳しくなってだんだんと職を失い始めて最後の様な生活になったらしい。

自立心が強い方であったので、自分で何とかしようという気持ちが強く、母親や埼玉に住む弟さんにも実情は伝えてなかったみたいです。去年、国からコロナ渦のために全国民に10万円が支給された。一部、要らないという方もかなりいたと思います。不要な方には支給する必要もないであろうし、こういう本当に困っている方や母子家庭で苦しい方だけに対してだけ、もっと多くのお金を支給すべきではないのでしょうか。その後にまた映し出された高校時代と20代のころの夢にあふれたような写真を見て瞼が熱くなりました。