peopleです。
体重は17キロ減り、所持金は10円を切った。寝る場所は#ネットカフェ から路上になった--。新型コロナウイルスの影響が長引く中、仕事を失うなどした人たちの生活がますます追い込まれている。東京・池袋の公園で支援団体が続けている「#炊き出し 」に集まった人数は今年に入ってさらに増えて過去10年で最多となっているという。苦境に耐えきれず、初めて支援を受ける人が目立つという。最近、路上で暮らすようになったという男性。緊急事態宣言下で、飲食店の清掃の仕事は2カ月近くない。「もう、もたない……」。宣言の延長が決まり、男性は絶望したように声を落とした
「こういうところ、来たことなかったんだ。会場のそばまで来ても、恥ずかしくて、なかなか入れなかった。でも、さっきあいさつした人が『いいから』『いいから』って言ってくださって」。男性が初めて食料支援を受けたのは今年2月。公園から少し離れた場所から様子をうかがっていたところ、支援者に声をかけられ、食事を受け取ることができた。
「あれからもう3、4カ月になるのか。冬はまだ日が短くて暗かったけど、今は明るいでしょう。だからこうやって帽子をかぶっている。やっぱりまだだめなんだ、羞恥心があるんだよ」。顔を隠すように帽子を目深にかぶり直し、こう続けた。「1日1食が続き、ここ1年で体重は17キロ減ったんです。そんな生活に慣れてしまいました」
男性は約10年前に離婚し、東京都内のアパートで1人暮らしを始めた。かわいがっていた2人の子供とも離れざるを得なかったが、時々レンタカーを借りて息子や娘の家の近くまで行き、元気な姿をそっと見ることが唯一の楽しみだった。「子供たちが独立して立派に暮らしていることだけが励みで」と表情を緩める。
なんかこの間、書いた去年のバス停で殴られて亡くなった女性のことが重なってくる。コロナは多くの命を奪うだけでなく、いろんな人から日常を奪った。人間が人間らしく生きられなくなっても、それでも精いっぱい生きていこうとしている人々の心も奪い去っていく。コロナが静まった時、世の中は大きく変わっているのだろう。今まで通り生きていこうとしても人々はそれが今まで通りの社会ではないと気が付くのだろう。きっとコロナ前には戻れないのだろう。