これからの時代

peopleです

貧困クライシス」(毎日新聞出版)の著者、藤田孝典さんと芥川賞作家、平野啓一郎さんの対談が面白く参考にさせていただきました。

藤田さんは、「貧困層だけでなく中間層もどんどん苦しくなっている。今の社会は普通に生きるのにお金がかかり過ぎる。社会福祉とは本来、どんな経済状態であろうと普通に生きることを保証する制度だから、生活の基本となる医療、介護、保育、住宅、教育を、軒並み無償化に近づけていく。そこに税を再分配しながら、中間層、貧困層関係なくみんなが助かるという仕組みが必要」と提言されている。
高所得世帯と、低所得世帯の人の間で教育水準に差が出ているのは現実で、これは前にも書きましたが、特に最近はひどい傾向にある。

日本人は少なくとも昭和までは、自分の父親世代よりも豊かになれることを考えて生きてきた。でも、それはもはや幻想かもしれない。その夢をなかなか実現しにくくなっていくだろう。ーー言われていることはこれから先、終身雇用や賃金上昇がなかなか望めなくなってきたということですよね。

子供にはそれなりに安定した暮らしを送れるようにはなってほしい。子どもにはとにかく生き抜いてほしい。若年層の死因の1位は自殺。だから子どもには、最低限生き抜いてもらいたい。成功するというよりは、失敗した時にあまり落ち込まず、次に進める力を持ってほしい。私自身もこの時代、若者があまりにも簡単に命を落としていくことが不思議でならない。恐らくそうさせているのは社会の仕組みがおかしいのだと思う。それと孤立社会。インターネットが盛んになっても孤立社会になって、追い詰められる縮図は現代の象徴かもしれないと思う。

大人になって意外だったことの一つは、実は世の中はカネだけで動いているのではない、ということ。人への信頼感とか尊敬とか、そういうことでかなりの部分が動いている。そういうものに具体的な希望を感じることもありますと言われている。確かに金だけで動いている人も見かけるが、そうでなく、幼いうちからいくつになっても金で動いてない人は結構いると思います。人間らしく生きていきたい。

藤田さんの考えに共感してくれる研究者や仲間が増えてきて、福祉の「脱商品化」について、同じ思いを共有する40代以下の官僚や政治家も出てきて、「じゃあ、やってみようと」というふうになってきているという。あまりにも社会がひどく、厳しくなっているからだと思いますけれど。

巨大資本をドーンと集めて、そこに技術力を集中して何かを作るっていうようなかつての時代から、ネットワークやウェブを使っていろんなことができるようになってきた。参入障壁が低く、いろんな新しい人が、新しい知恵とともに入ってくる。小さいプロジェクトをやって成功する事が多くなった。そういうモデルケースが増えていくと、社会が変わっていく。確かにかつての不況時期に比べたら、いろんなチャンスが増えてきていると思う。

新しいことをやろうとする人たちが出てきていて、ある種の希望は開けているような気がするし、そういう人たちと接している時が一番気分が明るくなる。おもしろいなと思っています。
だから、命を落とす前にいろいろ周りを見わたしていくべきですね。

子供の貧困
6月, 2021 / 苦しい時代に聴きたい安らぎのMUSIC、哀しみ切なさ優しさを唄う – Page 7 (sutekinapeople.com)