猫の駅長さん

peopleです。

                                          和歌山に行ったことはありますか?和歌山駅から紀の川市にある貴志という駅までの14.3kmの和歌山電鉄貴志川線という電車が走っているのですよ。貴志駅の駅長さんがなんと三毛猫の「ニタマ」(雌、11歳)駅長で今すごく人気があるそうです。初代はたま駅長と言って2007年1月に駅長になったとのこと。たまは駅前売店の飼い猫で、和歌山電鉄小嶋社長が物おじしない様子を見て無人駅のマスコットとして白羽の矢を立て、その後すごく人気者になったとのこと。

二タマは2012年1月に初めて伊太祈曽駅の駅長に就き、15年6月にたまが天国へ旅立った後は大役を引き継ぎ貴志駅、伊太祈曽駅長の駅長さんを務めていたり、執行役員から社長代理に昇進しているとの事。駅長室で写真撮影に応じたり、イベントに参加したりと業務は多忙で、21年8月には地域振興に貢献した功績で県から「爵位」も受けたそうですよ。

ニタマの10年は会社も激動の時代だったとのこと。猫駅長の効果、新車両の導入などで年間乗客数は15年度に232万人にまで増加。17~18年には台風被害に遭い、赤字が重んだ。そこに襲ったコロナ禍で外国人観光客は消え、テレワークや休校などで通勤・通学客も激減し、黒字の目安である年間250万人の利用は遠のいた。

2021年12月、「たま電車ミュージアム号」の運行を始めた。 既存車両を改装し、漆黒の外装、木をふんだんに高級感ある内装。たま、ニタマ、18年からニタマの後任として伊太祈曽駅長を務める「よんたま」のイラストや写真が、車体や壁面、床、天井に至るまで777匹ちりばめられている。子どもが楽しめる仕掛けもあるという。

地方鉄道の現状は厳しい。00年度以降、21年4月までに全国で45路線の鉄道・軌道が廃止されたとのこと。新型コロナの感染で20年度にはほぼ全ての93社が赤字に陥った。地域公共交通総合研究所(岡山市)が21年春に鉄道、バス会社などを対象に行った調査では、回答した123社のうち半数近くは「支援がなければ年度内の経営維持が困難」と答えているという。

社長は「猫の駅長が世界中の皆さんに愛され、地方鉄道に光を当ててくれた。『公有民営』で地方鉄道を支える原型を作ってくれた」と言う。猫駅長は単なるブームではなく、地方鉄道の重要性を社会に気付かせた側面がある。

(内容は1月29日付けの毎日新聞、水津聡子氏の記事と貴志川線のHPの記事に基づき、紹介させていただきました)これから暖かくなりますので、是非ともみんなで出かけて行って、暖かく支援しませんか。

たま駅長出演フランス映画「ネコを探して」ミリアム・トネロット監督から、
たま駅長へメッセージがあったそうなので紹介しておきます。

親愛なる たま駅長へ

インターネット上で、あなたが駅長を務める貴志駅の新しい駅舎を拝見しました。
私たちが映画「ネコを探して」を撮影した頃から、なんという変化でしょう! 素晴らしい駅舎ですね、

ちょっとジブリの映画から飛び出してきたみたいにも見えるのかしら。
棟梁、職人の皆さん、完成おめでとうございます。
これは宝石ですね!  

素敵なマスコットとして親しまれているあなたは、物凄く可愛くて強いネコです。ウチのネコにはとても務まりませんよ、興奮してお客様を引っ掻いてしまいそうですから。

でも、たまちゃん、私は、素晴らしい動物としてはもちろん、あなたの果たしている役割の方にも心を打たれます。あなたは、公共サービスの新しい概念を象徴しています。利用者の満足とサービスの充実という、公共事業のビジョンを体現しているのです。貴志駅という公共スペースへの“不法滞在”という問題の解決のために、あなたを駅長に任命した小嶋社長のはからいが、その第一歩になりましたね。そのニュースは人々の心に触れ、好奇心を誘い、そしてマスコットになった。今日では、あなたは和歌山の地域経済活性化の立役者です。従業員の皆さん、鉄道員の皆さん、建設業者、売店、栽培家・・・県下の皆さんとの協働の賜物です。

あなたのおかげで、和歌山のイチゴがフランスでも有名だということを、知っていますか? 
さらに言うなら、あなたのような本物の駅長や、まるで妖精のような美しい新車両の電車、輸送の確実性といった素晴らしい特徴が、貴志駅と和歌山をつないで、「カワイイ」という日本独自の価値観をも超えているのです。

たまちゃん、あなたは単に「カワイイ」だけではないのです。ネコが持つ重要な特徴の1つを象徴している:それは機動性です。もちろん、あなた自身はいつも貴志駅に居るのですが、あなたを思うことで、どれだけ多くの人々が自由な旅に思いを馳せていることか!

  たまちゃん、あなたは「カワイイ」どころか、頼もしい鉄道エンジンなのですよ。
強くて、パワフルで、ご機嫌なエンジン。
私にとっては憧れです。  

たまちゃん、これらの業績に敬意を。そして、休日を楽しく過ごすことも忘れずにね!!!  

フランス北東の奥地アルザスより、喉を鳴らしながら・・・

2010年8月4日
映画「ネコを探して」監督
ミリアム・トネロット


Chère Tama,

j’ai vu sur internet la nouvelle gare de Kishi où tu officies : quel changement depuis que nous avons tourné le film “ネコを探して ” !
Cette gare est magnifique, on se croirait dans un film d’animation des studios Ghibli !
Félicitations aux artisans et ouvriers qui l’ont réalisée, c’est un bijou !

Je me suis laissée dire qu’au Japon tu passes avant tout pour une mascotte bien mignonne. Et de fait, tu es une chatte fort jolie et surtout très patiente, n’importe lequel de mes chats aurait, à ta place, offert une séance de scarification aux visiteurs qui te mitraillent chaque jour.

Mais par delà ce folklore, ce qui me touche, Tama-Chan, c’est moins l’animal que le symbole. Tu représentes en effet une autre conception du service public, où le confort des usagers et la qualité de l’accueil sont la première préoccupation des investisseurs. Ta nomination clin d’oeil au poste de chef de gare partait au départ d’une volonté du président Kojima de trouver une solution à ton stationnement “illégal” sur l’espace public devant la gare de Kishi. Puis la nouvelle a ému, tu es devenu une curiosité, puis une mascotte. Aujourd’hui, tu es l’un des moteurs de l’économie de la région de Wakayama. Grâce à toi, les fraises de Wakayama sont réputées jusqu’en France : t’en rends-tu compte ? Mais surtout, un vrai chef de gare, de vrais nouveaux trains aussi beaux que féeriques, des horaires de transport assurés, bref, toute une vie qui dépasse largement le phénomène typiquement japonais du Kawaii, a pris son essor entre Kishi et Wakayama. Non Tama, tu n’es pas Kawaii. Tu n’as rien d’une peluche. Tu symbolises l’une des qualités essentielles du chat : la mobilité. Alors bien sûr, toi, tu restes à quai. Mais combien d’humains ont retrouvé leur liberté de déplacement grâce à toi ! Tu n’es pas Kawaii, Tama : tu es une locomotive. Forte, puissante, joyeuse. Autrement plus impressionnante qu’une peluche.

Alors, toutes mes félicitations pour ce parcours hors norme. Et entre nous, tu sais ce que je te souhaite ? Du repos !!!

Gros ronrons du fin fond de l’Alsace.

myriam tonelotto

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