選挙が「推し活」化していると言われる

少し前からの選挙がSNSを有効に使っていたことが大きな話題となり、それでいわゆる#選挙が「推し活 」化されていると中央大学山田昌宏先生などが言われているんです。

「推し活」というのは、好きな人物やキャラクター、グループなどを応援する活動のことをいうのであって、その目的は「推し」たものを幸せにすること、それによって自分も満足することだそうです。今は若者満足度は上がっているそうで、ある調査によれば18歳~29歳の人達での生活満足度は63%だそうです。今の時代、経済格差は固定化し始めているのに生活満足度が高いのは、リアルな世界での格差をバーチャルな世界で穴埋めしているかだと考えられている。

「推し活」は推した相手が幸せになって、それを推した自分が満足することなどというのは、AKBグループの総選挙などが典型だそうです。実際の選挙でもそれが非常に似ていると言われ、ある候補者のために街頭演説を聞きに行って、SNSで動画を拡散させたりする行動により、推し仲間が増えていくことは自分の満足度につながるという。いままでの政治は、業界団体や労働組合といったさまざまな利害集団に属する人たちが、その集団や自分の利益になりそうな候補者に投票していた。時代の流れで人々の意識も変わり、そうした利害集団に所属する人が少なくなっていったのも事実です。

若者や専業主婦層の他にも、「#就職氷河期 」に社会人となって利害集団に入り損ねた「ロストジェネレーション」(失われた世代)の人たちなどがそうなんでしょう。
こうした無党派層が増えれば、それぞれが自立した個人として最も良い政策を打ち出す政党や候補者に1票を投じるんでしょうが、そうなっていないのは、どの政党も理想とする社会への道筋を示せていないことにも原因があると言われている。

政党に将来のビジョンが見えなければ、有権者はどこに投票しても自分の将来は大きく変わらないと思ってしまう傾向になるだろうし、そうなると投票行動はSNSや「推し活」で言われたように、自分が好きな候補者に1票を入れるか、或いは、嫌いな人、たとえば、ずるをしてお金もうけをした候補者を当選させないかの2択になる。

これは#選挙の「推し活」 化が進む要因の一つだと考えられている。

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