ある雑誌によると、新型コロナウイルスのワクチン接種は前途多難だという。ワクチン不足とは別に、若い世代が敬遠しているというのだ。一因にはSNS上に飛び交う「フェイク」があり、惑わされないため必要なのは、広範な公衆衛生教育だ。だが、日本では欧米に比べて貧弱なのだと結論付けている。
「(ワクチンは)打ちません。副反応が怖い。日本製ができるのを待ちます」、「不妊になるというじゃないですか。迷いますよね」 街頭インタビューで、こんな答えが次々に返ってきた。感染者は減ってきて、地元自治体も次の一手のワクチン接種を大規模接種会場や職域・大学接種で加速させるとしている。しかし、若者たちは接種しないと答えたのだった。
若い世代が迷う要因は、やはり新型コロナやワクチンに関する情報だ。特にSNS。そこにはさまざまな確証不明の情報が流れている。「不妊になる」「ワクチン接種で遺伝子が組み換えられる」などは「フェイクだ」と内閣府の担当官僚が言うと。
これがフェイクなのかどうかは、わからない。ただ言えることは、現代人はSNSに書いてあればそれに影響されてしまう。まさにSNS文化国になりつつある。また、日本製であれば副反応がないという根拠はどうなのだろうか。またコロナにかかることは将来的に問題がないのであろうか。
この雑誌では、必要なのは行政がリテラシーを促し、同じSNSの場で正確な情報を発信することだといっている。しかしそれで誰もが満足するのであろうか。SNS上での情報発信もいいが例えば、企業は産業医で若い人専門の相談窓口を設け、大学に相談のための医師を派遣する、自治体で若者専用の相談日を設定する。フェース・トゥー・フェースの相談体制作りに、政府の補助で取り組むべきではないでしょうかという。それも大事だとは思います。
そもそも日本の公衆衛生教育のあり方にも問題があるのではないかと書いている。ある専門家によると、海外では公衆衛生を学んでいるのは公務員、民間企業社員、NPOなど市民団体の人たち、シンクタンク研究員など多岐にわたるという。「多くの人が学んでいるから、今回のようなコロナ感染が起きたら、社会全体が公衆衛生学的に何をすべきかが分かる。それは科学的な根拠があり、単なる感情論や政治的判断だけでコロナ対策が進んでしまうようなことが少ない」という。
今回、日本の国はコロナ後進国として、国からの徹底の甘さ、先行きの甘さ、水際の甘さ、ワクチン供給の遅さとかいろいろな指摘を受けた。さらには諸外国のような考え方、教育を見直すべきであろう。政治家がくだらない政争ばかりで何も考えない国になっているのでコロナでこの国の弱さがまさに露見し始めている。