オリンピックが終わって

peopleです


オリンピック前、多くの国民が今回のオリンピックの開催を疑問視していたが、シンガポール紙「聯合早報」東京特派員符祝慧さんがこう言われていた。「日本の組織では誰もが責任を負うことを避け、誰も決めたがらない。そうこうしているうちに、多くの人は現状維持に慣れ、前例踏襲が一種の普遍的な思考様式になってしまう。全力で反対する人がいないまま、気がつけば考え直すには時、既に遅く、気乗りしないまま実行する結果になってしまう。今回の東京五輪開催に至る一連の経緯には、こうした日本の組織に特有の「空気」が如実に表れたとは言えないだろうか。」と。その通りであろうし、ちょっと悲しいですね。この「空気」というのが後に出てくる優柔不断さにつながるのかもしれない。

感染症の流行は永年のオリンピックでの躍進の期待を打ち砕き、五輪開催に対する国内の反対が7割に達した世論調査もあった。そういうムードの中で、競技が進むにつれ世論に変化が表れた。毎日新聞が五輪閉幕後の8月28日に実施した世論調査では、回答者の53%が東京五輪を「楽しめた」と答えた。五輪開催を進める政府に不満を募らせていた国民なのに、日本の選手たちの活躍を見て、否定的な見方をしなくなったのだろうか。「これはこれ、あれはあれ」という日本人独特の優柔不断さかもしれない、これはオリンピックに限ったことではない。

日本当局は、五輪と日本社会を切り離して考えようとした。勝負の行方だけに集中すれば、会場外の新型コロナ感染の状況は遠い雲の向こうの話に思えただろう。一方、日本の若者らが五輪を心から楽しんでいるようには見えなかったし、五輪期間中、日本国内で感染の「第5波」が全国に広がり、1日あたりの新規感染者数が1万5000人を超えていった。新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は「オリンピックをやるということが人々の意識に与えた影響はあると思う」と述べた。

東京五輪の開催費用は当初7350億円だったが、最終的に3兆円にまで膨らむとの試算が出ていると言われている。無観客開催で失われたチケット収入は900億円。この費用は日本政府、そして東京都がいろいろな形で負担することになるだろうし、将来的にまた後世へ増税などに形を変えて負担を強いてくる。英オックスフォード大の研究者らでつくるグループは「史上最もコストが高い五輪」と呼んだらしい。

*直前のオリンピック
7月, 2021 / 苦しい時代に聴きたい安らぎのMUSIC、哀しみ切なさ優しさを唄う – Page 10 (sutekinapeople.com)

*オリンピック総費用
東京五輪の総費用は4兆円に 莫大な赤字のツケは国民や都民が払うことに(マネーポストWEB) – Yahoo!ニュース


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