孤高のギタリスト

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昔、ジェフ・ベックという大変なギタリストがいた。かのエリッククラプトン、ジミーペイジと並ぶ3大ロック・ギタリストの一人といわれている。『ローリング・ストーン』誌の選ぶ「最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第14位、2011年の改訂版では第5位に選ばれている。現代の日本のROCK ギタリストの中にもベックに憧れたり、影響を受けている人はたくさんいるはずです。

エアロスミスがビッグになり、ライブでベック時代のヤードバーズの曲「トレン・ケプト・ア・ローリン(ストロール・オン)」を演奏したとき、ベックが急遽ゲストでステージに上がるや、ジョー・ペリー(g)は感動で涙を流しながらその場に立ちつくしたというぐらいですから。
ジェフ・ベックは、エリッククラプトンと共に天才ギタリストとして活躍しながら、性格やギターに対する姿勢はまったく違っていたのは有名な話ですね。
“神様”と呼ばれながらも、常にフレンドリーで誰よりも人間的であったクラプトンに対し、ベックは性格も利己主義で自分勝手、非情だとまで言われ、どこか近寄りがたい存在であった。

ギター奏法においても、かなり独創的でトリッキーなことから、後継者になるようなプレイヤーも現れず、いつしか「孤高のギタリスト」と呼ばれるようになっていた。
しかし、それにも関わらず、ギタリスト達の間で未だにカリスマ的な人気を保っているのは、やはり他の追随を許さないテクニックとセンス、並々ならぬギターへの情熱が伝わってくるからでしょう。

ジャンルを無視したミュージシャン達が選ぶギタリストの人気投票でも、ベックが最も活躍していた時代には、ジャズやブルース・プレイヤー達を押さえてずっと1位に君臨していた。
これだけの人気者、本来なら誰もがそのテクニックをマネし、取り入れたがるはずだ。しかし、そう簡単にベックのギターをマネすることはできない。大のベック・ファンであるジョー・ペリーでさえ、ベックの弾き方とはまったく違うスタイルであるし、ベックのスタイルを大胆に取り入れているのは、ジミヘンドリックスとゲーリー・ムーア、TOTOのスティーヴ・ルカサー、それに元ディテクテヴのマイケル・モナークぐらいのものだと思います。

とにかく「孤高のギタリスト」ですね。