素晴らしき人生

peopleです。

(ある地方新聞から)今春、愛知県で産婦人科医として歩み始めた56歳のT子さん、医師を志したのは1997年、父が自ら命を絶ったことがきっかけだ。父の苦悩に寄り添えなかった後悔の念が「悩む人の力に」と医の道に駆り立てた。3人の子供を育てながらなんと7浪の末に医学部に合格するなど24年間かけて念願を果たし、父を思った。  元々、父との関係は良くも悪くもなかったという。

高校2年の時に両親が離婚してからも別居の父と時々、顔を合わせた。人生が変わったのは薬局経営に携わっていた32歳の時。父の営む飲食店が閉まったままだと聞いて訪ねると、変わり果てた父の姿があった。64歳だった。他人の借金を肩代わりして返済に苦しみ、酒に溺れていたことを知った。生前、気落ちした様子で相談を持ち掛けてきたことを思い出したが、忙しさにかまけて耳を傾けられなかったことに、胸が痛んだT子さん。

T子さんは子どもの頃から人助けに積極的で、島根大在学中にはアルコール依存症患者に寄り添うボランティア活動に励んだことがあったのに・・。自分を責め、悩んだ末に「父と同じように悩む人を助けたい」と医師になることを決めたという。予備校で10歳年下の夫と出会い結婚。長女誕生を機に医学部入りを諦めて就職した夫が家計は勿論、学業も子育も献身的に支えてくれ、2004年愛知県内の医学部に合格した。

9年間かけて卒業し、医師国家試験は3度目の挑戦で合格。19年に同県内の病院に就職し、研修医生活を終え今春、産婦人科医としてスタートを切った。「夫がいなければ、今ここに立つこともできなかった。医師の夢を諦めてまで、全てサポートしてくれた」と、夫に感謝で一杯という。今後目指すのは「患者に希望を与えられる医師」。絶望的な病状でも、どう前向きに生きていくか、一緒に希望を探し、寄り添うつもりだ。辛い思いをほかの人にはさせないと亡き父に誓っている。

32歳から24年もかけて父を想い、医者になった56歳の女性。それを支えたご主人。なんて#素晴らしい人生 なんでしょうね。

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